大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ラ)52号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

商法第五八三条第二項の規定は、本来契約関係にない荷受人と運送人との間において、荷受人の運送品の受領という事実に基づき、法律上当然に荷受人の運送賃その他の費用(以下「運送賃等」という。)の支払義務が発生することを定めたにとどまり、その義務の履行場所については特段の定めをしていないものと解すべきである。荷受人の右運送賃等の支払義務は法の規定により発生するものであるが、その内容において商行為によつて生じた通常の金銭債務と何ら異なるところはないのであるから、その義務の履行場所は商法第五一六条の規定により定まるものというべきである。したがつて、荷受人が運送品の受領と同時に運送人に対し運送賃等を支払う場合には、その行為の性質に照らしその際当事者間において右運送品の受領場所においてこれを支払う旨の合意がなされているものと解されるが、運送品の受領と同時に運送賃等が支払われることなく運送品の荷受人への引渡が完了した場合には、右運送賃等の支払は、特段の意思表示のない場合として、運送人の営業所又は住所においてこれを履行すべきものである。右と同旨の見解のもとに、抗告人の運送賃支払義務の履行場所は、同条第三項の規定により債権者である相手方の営業所とみなされるべき東京主管支店であり、したがつて本案訴訟は右支店の所在地を管轄する東京簡易裁判所の管轄に属するとした原審の判断は、正当として是認することができ、原決定に所論の違法はない。

(香川保一 越山安久 村上敬一)

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